屋根の遮熱塗料|メリット・デメリット

ここ数年温暖化の影響で、夏場に部屋が暑くて困っているとお客様からよく聞きます。
特に2階の部屋は、エアコンを強くしてもあまり温度は変わらず、電気代ばかりかかってしまうと相談を受けたことがあります。

先月も部屋が暑いとのことで、屋根を遮熱塗装してほしいとの相談でした。

部屋が暑い原因は主に4つ考えられます。
1.サッシ窓からの日射熱
2.屋根・天井からの熱
3.外壁からの熱
4.エアコンの能力

このお宅では、まず屋根・天井からの熱が考えられました。
屋根は金属屋根の中でも、凹凸の形で強度を高めた折半屋根でした。
天井裏には断熱材は入っていますが、真夏の日差しを受けると、折半屋根の表面はとても高温になります。
天井裏も換気の状態によりますが、かなりの高温になり、その熱は天井から室内に伝わり、結果、室温が上がってしまうのです。

メリット① 屋根の表面温度の上昇を抑える
太陽の光には、熱を持った光が含まれます。普通の塗料はこの光を吸収して熱に変えるため、屋根が高温になります。
遮熱塗料は、熱を持った光を反射する塗料です。
光が熱に変わる前に跳ね返すので、屋根の表面温度の上昇を抑えることができます。

なお、
「遮熱」は熱を跳ね返すこと
「断熱」は熱を伝えにくくすること
遮熱と断熱は働きが違います。
天井裏に断熱材があっても、屋根が高温になれば熱は伝わってしまいますし、入口で熱を減らす遮熱が効果的です。

メリット② 金属屋根は遮熱塗料の効果が出やすい
金属は日差しで表面が一気に熱くなり、その熱が下へ伝わりやすい素材です。そのため、熱が入る前に表面で反射するほうが効果が出やすいです。

よく使われているコロニアルの屋根材は、熱を伝えにくい素材のため、金属屋根ほどの差は出にくいものの、屋根表面の温度を下げる効果は期待できます。

屋根材によって遮熱塗料の効果は違います。

メリット③ 室内の暑さをやわらげ、冷房の負担が減る可能性がある
屋根の表面で熱を減らせば、天井裏の温度も上がりにくいため、天井から室内に伝わる熱も減ります。室内に入る熱が減るのでエアコンの負担も軽くなり、設定温度まで下がりやすくなり、電気代が下がる可能性があります。

メリット④ 屋根の傷みを抑える効果が期待できる
屋根材は、温度が上がると少し膨らんだり、温度が下がると少し縮んだりします。特に夏場は昼と夜で温度差が出ます。
金属屋根は温度による影響を受けやすく、昼は高温になり、夜は外気温近くまで下がります。そのため、毎日膨らんだり縮んだりを繰り返します。

繰り返していくうちに、次のことが考えられます。
1.固定ビスやボルトが緩む
2.屋根材のつなぎ目部分に負担がかかる
3.塗装の膜にひび割れや浮きが発生しやすくなる

遮熱塗料で屋根表面の温度上昇を抑えると、昼と夜の温度差が小さくなり、屋根材の膨らみや縮みも小さくなります。屋根材の塗装の膜への負担が減るため、傷みを抑える効果が期待できます。

よって
1.屋根材の固定ビスやボルト、つなぎ目への負担が減る
2.塗装の膜が熱でダメージを受けにくくなる
3.屋根の寿命や次回の塗り替えまでの期間に、良い影響が出る可能性があります。

良いことばかりでなく、デメリットも比べてみてください。

デメリット① 通常の塗料より価格が高くなる
遮熱塗料は、通常の塗料より材料費が高くなります。熱を反射する特別な顔料を使用しているためです。

ただ、屋根塗装には、足場、高圧洗浄、下地処理、塗装の手間などの費用がかかり、これは塗料の種類が変わっても同じです。遮熱塗料にして変わるのは、主に塗料代の部分だけです。そのため、工事全体の金額が大きく増えるわけではありません。

屋根面積や塗料のグレードによって費用は変わるため、一概には言えませんが、平均的な2階建の家で、通常の塗料との差は数万円ほどです。
それでも、エアコンの負担が減る可能性や屋根を守る効果を考えると、長い目で比べて判断するのが大切です。

デメリット② 冬は寒くならないか?
たまに、「夏は涼しくなっても、冬は寒くなりませんか?」と聞かれることがあります。
遮熱塗料は日差しの熱を反射するため、冬も同じように反射します。そのため、冬に日差しで屋根が温まる分が少し減る可能性があります。
冬場は日差しが弱く、日照時間も短く、屋根は日差しで温まっても、その熱が室内に入る量は夏ほど多くありません。
冬の寒さには、天井裏や壁の中にある断熱材のほうが大きく関係します。断熱材が少ない家では、遮熱塗料の有無にかかわらず、冬は寒く感じます。心配な場合は、断熱の状態も一緒にご相談されるのがよいかと思います。

デメリット③ 効果は家の条件で差が出る
遮熱塗料の効果は、どの家でも同じではなく、家の条件で差が出てきます。
差が出る条件は次の3つです。

1.屋根の色
遮熱塗料は、色によって日差しを反射する割合が違ってきます。一般に、淡い色のほうが反射しやすく、濃い色は反射しにくい傾向があります。
具体的に色でいうと、淡い色はホワイトや薄いグレーあたりで、濃い色はブラックやダークグレー、ブラウンになります。

色は薄いグレー

2.断熱材の有無
天井裏の断熱材が少ない、断熱材に隙間が多い家では、屋根の熱が伝わりやすく、暑さが残ることがあります。

3.日当たり
南向きで一日中日が当たる屋根は効果が出やすいですが、周りの建物や木の影になる時間が長い屋根は、効果が小さくなります。

デメリット④ 汚れや劣化で、遮熱性能が年数とともに下がることがある
遮熱塗料は、塗ったときが一番日差しを反射します。時間がたつと、屋根に汚れが付いたり、塗膜が紫外線や雨で劣化したりして、日差しを反射する割合が少しずつ下がります。

下がり方には幅があります。
・低汚染タイプの塗料は汚れが付きにくく、遮熱性能は落ちにくいように作られています。
・金属屋根は、サビが出ると反射率が大きく下がります。
・家の周りに木が多い、交通量が多い、海に近いなど、場所によって汚れ方も違います。

対策は次のとおりです。
・汚れにくい低汚染タイプを選ぶ
・数年ごとに屋根を点検する
・必要に応じて洗浄やメンテナンスをする

同じ遮熱塗料でも、汚れにくさで、数年後に差が出ます。

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遮熱塗料 施工前

遮熱塗料 施工後

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